保険適用となる可能性のある女性の薄毛!原因疾患とは?
女性の薄毛治療が原則として自由診療となる中で、例外的に保険適用となる可能性があるのは、薄毛の原因が特定の「病気」であると診断された場合です。この場合、薄毛は病気の症状の一つとして捉えられ、その原因疾患の治療が保険診療で行われることになります。では、具体的にどのような病気が薄毛を引き起こし、その治療が保険適用となる可能性があるのでしょうか。まず代表的なものとして「円形脱毛症」が挙げられます。円形脱毛症は、自己免疫疾患の一種と考えられており、頭部に円形や楕円形の脱毛斑が突然現れる病気です。症状の範囲や程度によって治療法は異なりますが、ステロイド外用薬や内服薬、局所免疫療法などが保険適用で受けられる場合があります。次に、「甲状腺機能の異常」も薄毛の原因となることがあります。甲状腺ホルモンは全身の代謝をコントロールしており、その分泌が過剰になる「甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)」や、逆に不足する「甲状腺機能低下症(橋本病など)」は、髪の成長サイクルに影響を与え、薄毛や抜け毛を引き起こすことがあります。これらの甲状腺疾患の治療(薬物療法など)は保険適用となります。また、「鉄欠乏性貧血」も女性に多く見られる症状で、髪の成長に必要な酸素や栄養素が頭皮に行き渡りにくくなり、薄毛の原因となることがあります。鉄剤の処方などによる貧血治療は保険適用です。さらに、「膠原病」のような自己免疫疾患(全身性エリテマトーデスなど)も、症状の一つとして脱毛が見られることがあります。これらの疾患の治療も保険診療の対象です。そして、「頭皮の皮膚疾患」、例えば重度の「脂漏性皮膚炎」や「接触性皮膚炎」、「アトピー性皮膚炎」などが原因で炎症が起こり、抜け毛が増えている場合、その皮膚疾患の治療(外用薬や内服薬など)は保険適用となります。これらのように、薄毛が何らかの病気のサインである場合は、まずその病気を特定し、適切な治療を受けることが最優先です。その結果として、薄毛の症状も改善することが期待できます。