20代女性の薄毛とホルモンバランス!生理周期やピルとの関係
20代女性の薄毛の原因を考える上で、ホルモンバランスの変動は非常に重要な要素です。「治る」ためには、このホルモンバランスのメカニズムを理解し、適切に対応することが求められます。女性の髪の健康には、卵巣から分泌される女性ホルモン、特に「エストロゲン(卵胞ホルモン)」が深く関わっています。エストロゲンには、髪の成長期(アナゲン期)を長く維持し、髪の太さやハリ、コシ、ツヤを保つ働きがあります。また、頭皮のコラーゲン生成を促進し、頭皮環境を良好に保つ役割も担っています。しかし、20代の女性であっても、このエストロゲンの分泌が様々な要因で不安定になることがあります。例えば、生理周期に伴うホルモン変動もその一つです。排卵後から生理前にかけてはエストロゲンの分泌が減少し、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増加しますが、この時期に一時的に抜け毛が増えたり、髪質が悪化したりすると感じる人もいます。また、経口避妊薬(ピル)の服用もホルモンバランスに影響を与えます。ピルにはエストロゲンとプロゲステロンが含まれており、服用中は比較的一定のホルモン状態が保たれますが、服用を中止すると、体内のホルモンバランスが急激に変化し、一時的に抜け毛が増える「休止期脱毛」が起こることがあります。これは通常、数ヶ月で自然に回復することが多いですが、気になる場合は医師に相談しましょう。さらに、過度なストレス、睡眠不足、不規則な食生活、急激な体重減少なども、脳の視床下部や下垂体に影響を与え、ホルモン分泌の司令系統を乱し、エストロゲンの分泌低下を招く可能性があります。エストロゲンが減少すると、相対的に男性ホルモンの影響が強まり、皮脂分泌の増加やヘアサイクルの短縮といった、男性のAGAに似たメカニズムで薄毛が進行する「FAGA(女性男性型脱毛症)」を発症するリスクも高まります。ホルモンバランスを整えるためには、まず規則正しい生活習慣を確立し、ストレスを溜めないようにすることが基本です。大豆製品に含まれるイソフラボンは、エストロゲン様作用を持つため、積極的に摂取するのも良いでしょう。生理不順や不正出血など、ホルモンバランスの乱れが疑われる症状が続く場合は、婦人科を受診し、適切な診断とアドバイスを受けることが重要です。