薄毛のタイプで対処法はこんなに違う

2025年4月
  • 皮膚科でのAGA治療、途中でやめるとどうなる?

    AGA

    皮膚科でAGA(男性型脱毛症)の治療を開始し、ある程度の効果を実感できたとしても、様々な理由から治療を途中でやめてしまうことを考える方もいるかもしれません。しかし、AGA治療薬の効果は、基本的に服用・使用を継続している間において維持されるものであり、治療を中断すると、再び薄毛が進行し始めてしまう可能性が非常に高いということを理解しておく必要があります。AGAは、遺伝的要因と男性ホルモンの影響によって引き起こされる進行性の脱毛症です。治療薬(フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルなど)は、このAGAの進行メカニズムに作用し、ヘアサイクルを正常化することで効果を発揮します。しかし、これらの薬剤はAGAの体質そのものを変えるものではありません。そのため、薬の服用や塗布をやめてしまうと、薬剤によるAGA進行抑制効果や発毛促進効果が失われ、再びDHT(ジヒドロテストステロン)の影響が強まり、ヘアサイクルが乱れ始めます。その結果、治療によって改善された髪の状態は、徐々に治療前の状態に戻っていき、場合によっては治療開始前よりも薄毛が進行してしまうこともあります。この薄毛の再進行は、治療を中止してから数ヶ月から1年程度で現れ始めると言われています。せっかく時間と費用をかけて治療で得られた効果が、中断によって失われてしまうのは非常にもったいないことです。もちろん、経済的な理由や、副作用への懸念、あるいは生活環境の変化など、治療の継続が困難になる事情もあるかもしれません。そのような場合は、自己判断で治療を中止するのではなく、必ず処方を受けた医師に相談することが重要です。医師は、あなたの状態や状況を考慮し、治療の中止による影響や、あるいは薬の量を減らすなどの維持療法への移行、他の治療法への変更といった、様々な選択肢についてアドバイスをしてくれます。AGA治療は、長期的な視点で取り組む必要のある治療です。途中でやめることを検討する場合でも、必ず医師と十分に話し合い、納得のいく形で判断するようにしましょう。

  • ケトコナゾールと脂漏性皮膚炎!マラセチア菌への効果

    円形脱毛症

    脂漏性皮膚炎は、頭皮や顔面、胸部、背部など、皮脂の分泌が多い部位に発症しやすい慢性的な皮膚炎です。主な症状としては、赤み、かゆみ、そして脂っぽいフケや乾燥したフケなどが挙げられます。この脂漏性皮膚炎の発症や悪化には、皮膚の常在真菌である「マラセチア菌」が深く関与していると考えられています。ケトコナゾールは、このマラセチア菌に対して有効な抗真菌成分であり、脂漏性皮膚炎の治療において重要な役割を果たします。マラセチア菌は、健康な人の皮膚にも存在する常在菌の一種ですが、皮脂を栄養源として増殖します。何らかの原因(ストレス、睡眠不足、ホルモンバランスの乱れ、不適切なスキンケアなど)で皮脂の分泌が過剰になったり、皮膚のバリア機能が低下したりすると、マラセチア菌が異常に増殖しやすくなります。増殖したマラセチア菌は、皮脂を分解する際に遊離脂肪酸などの刺激物質を産生し、これが皮膚に炎症を引き起こし、脂漏性皮膚炎の症状を悪化させると考えられています。ケトコナゾールは、このマラセチア菌の細胞膜の主要な構成成分であるエルゴステロールの生合成を阻害することで、マラセチア菌の増殖を抑制し、その数を減少させる効果があります。マラセチア菌の数が減少し、活動が抑えられることで、皮膚への刺激が軽減され、炎症が鎮まり、フケやかゆみといった症状が改善に向かうのです。特に、頭皮の脂漏性皮膚炎に対しては、ケトコナゾールを配合したシャンプー(医療用または市販)が効果的です。定期的に使用することで、頭皮のマラセチア菌のコントロールを助け、症状の再発を予防する効果も期待できます。顔面などの脂漏性皮膚炎に対しては、ケトコナゾール配合のクリーム剤やローション剤が用いられることがあります。ただし、脂漏性皮膚炎の治療は、抗真菌薬によるマラセチア菌のコントロールだけでなく、生活習慣の改善や適切なスキンケアも重要です。医師の指導のもと、総合的なアプローチで治療に取り組むことが大切です。