ケトコナゾールの副作用!内服薬と外用薬で異なる注意点

ケトコナゾールは効果的な抗真菌薬ですが、他の医薬品と同様に副作用が起こる可能性もあります。特に、内服薬と外用薬では、副作用の種類や頻度、重篤度が異なるため、それぞれの注意点を理解しておくことが重要です。まず、ケトコナゾール内服薬(経口薬)の副作用についてです。内服薬は全身に作用するため、外用薬に比べて副作用が現れやすい傾向があります。最も注意すべき重篤な副作用として「肝機能障害」が挙げられます。食欲不振、吐き気、嘔吐、全身倦怠感、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)などの症状が現れた場合は、直ちに服用を中止し、医師の診察を受ける必要があります。このため、ケトコナゾール内服薬の使用は現在では限定的であり、他のより安全性の高い抗真菌薬が優先されることが一般的です。その他、内服薬の副作用としては、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛といった消化器症状や、頭痛、めまい、発疹、かゆみなどが報告されています。また、稀に男性ホルモンの合成を抑制する作用から、女性化乳房や性欲減退といった症状が現れることもあります。一方、ケトコナゾール外用薬(塗り薬、シャンプーなど)の副作用は、全身への影響が少なく、比較的軽微なものが中心です。最も一般的な副作用は、塗布部位の局所的な刺激感、かゆみ、発赤、かぶれ、乾燥、接触皮膚炎などです。これらの症状は、通常、使用を中止すれば改善しますが、症状が強い場合や長引く場合は医師に相談しましょう。ケトコナゾールシャンプーの場合も同様に、頭皮のかゆみ、発疹、刺激感などが現れることがあります。ごく稀に、アレルギー反応(アナフィラキシーなど)が起こる可能性も完全に否定はできません。いずれの剤形を使用する場合でも、過去にケトコナゾールや他のイミダゾール系抗真菌薬でアレルギー反応を起こしたことがある方は、使用前に必ず医師に伝える必要があります。また、妊娠中や授乳中の方、他の薬剤を使用中の方も、医師や薬剤師に相談し、指示に従って慎重に使用することが大切です。副作用のリスクを最小限に抑えるためには、定められた用法・用量を守り、異常を感じたら速やかに医療機関を受診するという意識が重要です。