プロペシアによるAGA治療を開始すると、その効果を実感し始めると同時に、新たな疑問が湧いてきます。「この薬は、一体いつまで飲み続けなければならないのだろうか?」と。治療のゴール、つまり「やめどき」についての正しい理解は、治療のモチベーションを維持し、長期的な計画を立てる上で非常に重要です。まず、理解しておくべき最も重要な事実は、プロペシアの効果は、あくまで「薬を服用している間」に限られる、ということです。プロペシアは、AGAの原因物質であるDHTの生成を抑制することで、抜け毛を防ぎ、ヘアサイクルを正常化させます。しかし、AGAの根本的な原因である遺伝的体質そのものを治す薬ではありません。そのため、もし自己判断で服用を中止してしまえば、抑制されていたDHTが再び通常通り生成されるようになり、ヘアサイクルは再び乱れ始めます。その結果、個人差はありますが、一般的には服用を中止してから3ヶ月から1年程度で、髪の状態は治療を始める前のレベルにまで、ゆっくりと、しかし確実に戻ってしまうのです。つまり、プロペシアに、明確な「治療終了」のタイミングはありません。薄毛の進行を食い止め、改善した髪の状態を維持したいと願う限り、基本的には「継続的に服用し続ける」必要があるのです。これは、高血圧の人が、血圧をコントロールするために降圧剤を飲み続けるのと同じようなものだと考えると分かりやすいかもしれません。もちろん、これは永遠に飲み続けなければならない、という意味ではありません。例えば、治療によって髪の状態が十分に改善し、自分自身がその状態に満足できた段階で、医師と相談の上で、「減薬」を検討することは可能です。毎日服用していたのを、二日に一回にするなど、維持療法に切り替えることで、費用や体への負担を軽減できる可能性があります。また、「もう薄毛は気にならない」と本人が判断し、加齢による自然な変化として受け入れられるようになった時が、一つの「やめどき」と言えるかもしれません。プロペシアは、あなたのQOL(生活の質)を向上させるための一つのツールです。いつまで続けるかは、最終的にあなた自身の価値観と、医師との相談によって決まるのです。